「女はいつでもsinjorino!」川合由香

NI C^IAM UZU "SINJORINO"N KIEL TITOLO POR VIRINO! KAWAI Yuka

Al Esperanta pagxo


現在のエスペラントの教科書では、男性の敬称はsinjoro、未婚の女性はfrau~lino、既婚の女性はsinjorino、と教えている。

しかし、女性のみを未婚か既婚かで区別することは、女性にとっての婚姻の意義を過大に評価することにほかならない。これは性差別的である。また、未婚か既婚かは顔に書いてあるわけではないのに、「間違えて呼びかけたら失礼」というのは、まったく不合理である。

じつはエスペラントの創始者・ザメンホフは、男性の敬称sinjoroに女性を表す接尾辞-inを付けたsinjorino(夫の有無によらない)だけを考案したのだが、ヨーロッパでエスペラントが広まる過程で、多くのヨーロッパ語にみられる未婚女性/既婚女性の区別がエスペラントに入り込んできて、現在の状況になった、との説もある。

近年では、上述の2つの理由から、欧米のエスペランチストのあいだでは、女性は未婚/既婚によらずみなsinjorinoに統一しよう、という人が増えている。しかし、皮肉なことに、ヨーロッパ語の悪い慣習から自由であってよいはずのアジアのエスペランチストのなかに、むしろfrau~linoとsinjorinoの使い分けにこだわる人が多い(ようだ)。これは残念なことである。

エスペラントが対話の手段である以上、合理性と簡潔さはヨーロッパ語の慣習に優先されるべきである。女性はみなsinjorinoと呼ぼう。


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参考:リーイスマ宣言


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