第62回大会決議集１

北海道エスペラント連盟総会決議書

REZOLUCIO de HEL

Al Esperanta pagxo

現第62回北海道エスペラント大会

北海道エスペラント連盟総会決議書

決議書１ 98年度事業報告

一進一退を繰り返しながらも、着実に前進する北海道のエスペラント運動

まず最初に今年度も、悲しい報告をしなければなりません。連盟の購読会員であり静岡県在住の大原喬さんが7月27日に亡くなられました。76歳でした。大原さんは昨年連盟に販売用として自著「エスペラントは世界を結ぶ」を寄贈してくださいました。私たちは引き続き先輩たちの切り開いた道を、私たちのやり方で前進していきましょう。

「21世紀を10以上のサークル･学習グループ、100名以上の連盟員、500名以上の支持者で迎えよう!」との前大会連盟総会で掲げた目標へ向けて、本年は連盟員の増加、新しい学習グループの小樽市での結成など、着実に前進している。前大会での様々な市民運動への宣伝と参加･賛同の呼びかけは、明確なエスペラントへの支持の広がりにはなっていないが、エスペラント運動に対する関心と興味はひきだしている。

とりわけ、ユニークなプログラムで、参加したエスペランチストの大爆笑と大満足を得る事ができた5月小樽合宿は、連盟長期計画に基づく組織宣伝予算を支出し計画と連動させた。小樽在住のエスペランチストの連盟活動への積極的参加、札幌からの講師派遣と連盟による会場確保によって小規模ながら定期的な学習会の開催という成果をあげている。

一方、前大会で活躍し人数も増えた青年エスペランチストは、北大エスペラント会の中心メンバーの渡独などによって定期的な会合を持てずに現在にいたっている。今大会の直前講習会を契機に学生･青年の定期的学習会の再開が期待されている。

定例委員会は参加者も増え、より充実した討論が行われている。前年度方針を全て実現したわけではないが、各部、事務局の活動は一部を除いて前年度並みあるいは若干の改善がうかがえる。その中で、図書部の図書購入予算の超過、今回の第62回北海道エスペラント大会に自治体･国際交流財団などからの助成金を得られなかったことなどは、今後の課題として残された。

１．宣伝･広報

l インターネットに北海道エスペラント連盟のホームページを10月中に開設する予定。（11月19日に開設した。）

それまでの間、仮のホームページとして、横山裕之インターネット担当委員のホームページ（アドレスはhttp://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/6362）に北海道エスペラント連盟のホームページを開設した。現在の内容は、北海道エスペラント連盟の歴史、道内各サークルの紹介などで、今後内容を充実していく予定。また、世界の主要なエスペラント組織を検索できるサイト及び道内のエスペラントに関するサイトにリンクしている。（その後、HELのホームページアドレスは、http://www.biglobe.ne.jp/~HEL/index.htm、電子メールアドレスは、hel@mud.biglobe.ne.jpに決定。）

l 5月小樽合宿（5月16･17日）への一般参加を呼びかけて、5月7日小樽市内の北海道新聞朝刊に5,800部のチラシを折り込む。（小樽市での学習サークル形成をめざして、長期計画の組織･宣伝費を支出、29,470円。）

l 札幌エスペラント会初心者講習の案内（5月かでる2･7 チラシ100枚）

l 苫小牧エスペラント会初心者講習の新聞案内（6月苫小牧民報、北海道新聞）

l 小樽エスペランチストとウラジオストックエスペランチスト、小樽市民を交えての交流案内

l 函館エスペラントロンド、ウラジオストックからのエスペランチストとの交流会案内

l 国鉄闘争支援の北海道連帯祭り（9月6日札幌中島公園）において、第62回北海道エスペラント大会案内、連盟員有志の「アイヌ語地名を大切に！」の署名用紙などそれぞれ５００部ほど配布。（SAT札幌）

l 第85回日本エスペラント大会（10月3･4日）において、北海道大会の案内とアイヌ神謡集エスペラント版の紹介ビラを400部折り込み依頼。（1,000円）

l その他、北海道のエスペラント運動についての放送･掲載誌紙。

97年 11/2 北海道新聞 27面（道央地方版）「旧ユーゴの現状知って－苫小牧でパネル展写真、紀行文で訴え」、11/5 朝日新聞 21面（道内版）「エスペラント大会－9日北区で」、11/5 北海道新聞 21面情報一覧講演菊島和子講演会「ボスニア、ヘルツェゴビナ－戦争の両側を旅して」、 11/6 毎日新聞 17面「エスペラント祭開催、9日、北区のプラザ新琴似」、11/6 北海タイムス 22面第2社会面「9日に「エスペラント祭」札幌で言葉通して国際交流」、11/7 読売新聞夕刊 13面「「エスペラント祭り」 9日･北区」、11/7 北海道新聞 24面（札幌地方版）番組案内「ラジオカロス 12:30～エスペラント特集」、11/7 北海タイムス 21面（地方版）番組案内「ラジオカロス 12:30～エスペラント特集」、11/7 ラジオ放送ラジオカロス 12:30～14:45, 15:00～15:55 二部構成出演者マイケルスローパー北アメリカ･エスペラント連盟事務局長セルゲイアニケーエフロシア国立極東大学函館校助教授菊島和子フリージャーナリスト、11/8 北海道新聞 24面（札幌地方版）「エスペラント祭」、11/10 ラジオ放送ラジオカロス 12:45～14:45 出演者菊島和子「9日エスペラント祭について」「ボスニア･ヘルツェゴビナ－戦争の両側を旅して」、11/12 THE JAPAN TIMES 20面 OPINION “Internationalize with Esperanto” Michael SLOPER、98年1月パラリンピックに絵本をプレゼント実行委員会発行「森のいろはカルタ 17ヶ国語翻訳版」絵と文菱川摩耶エスペラント訳鈴木佳子、3/29 ASAHI EVENING NEWS LIFE面 “Saving Mother Nature is on the cards”、5/15 北海道新聞（小樽版）「エスペラント学ぼうあす入門講座開講」、5/17 北海道新聞（道央版）「親ぼく深め国際語学ぶエスペラント道連盟小樽で30人が合宿」写真カラー、 6/19 平和文化発行歴史教育者協議会編「草の根の反戦･抵抗の歴史に学ぶ」P84～87北海道－国際通信で活躍した桑原一小松豊著、7/8 北海道新聞（小樽後志版）「エスペラント語に挑戦－小樽で学習会始まる覚えやすい文法、発音万国共通、対等に会話」、隔月刊雑誌NODE（ノード）毎号市民グループINDEX欄に北海道エスペラント連盟とSAT(サート)札幌掲載、9/26 北海道新聞夕刊 1面「地球語」、10/7 函館新聞（地域情報版）「ここに生きて－エスペラント語研究－セルゲイ･アニケイエフさん時間とれないのが悩み」、10/9 北海道新聞（小樽･後志版）「ウラジオから2会員招きエスペラントで友好－小樽で14日学習会－」、10/10 毎日新聞 21面「エスペラント語PR －ウラジオストクから2人が来道」

２．組織（9月13日現在）

l 現在、連盟内で定期的に集まりを持って活動しているサークル 5、前年度より一増一減。（札幌エスペラント会、苫小牧エスペラント会、サート(SAT)札幌、函館エスペラントロンド、小樽エスペラント学習グループ）

l 現在、北海道内で活動しているエスペランチストグループの存在している市町村4、前年度より一市増。（札幌市、苫小牧市、函館市、小樽市）

l 98年度連盟員数 89名、97年度より11名増、96年度より36名増、95年度より20

名増。連盟員内訳、正会員66名（3名増）、家族会員6名（1名減）、購読会員17名（9名増）。

l エスペラント支持者名簿は、前大会賛同人・元連盟員・元エスペランチスト・連盟未加盟エスペランチスト・一日講習会参加者などを対象に作成中。約100名。

l 連盟の委員会定例会議は主として札幌のロンデタージョを会場に隔月定期的に開催された。札幌以外での開催は小樽市で1回のみであった。討論レジュメの事前送付はまだ不十分ではあるが、委員会開催日に間に合わない緊急の決定必要事項などは事務局から各委員へ郵送･ファックスなどで連絡し、意見･異議の有無を確認している。

l 定例委員会参加人数第1回（11月23日）8名、第2回（1月11日）7名、第3回（3月7日）7名、第4回（5月17日）8名、第5回（7月11日）8名、第6回（9月19日）7名（他、文書参加2名）。第7回（臨時10月6日）8名（他、文書参加1名）。これまでの参加委員7名、事務局員3名、その他2名。

l 連盟事務局は現在3名の体制で、事実上札幌のロンデタージョを事務所として使用している。実務面では名簿の整備や事務連絡など前年度より改善されつつあるが、本来あと若干名の事務局員を必要としている。また担当委員の多忙や海外在住などのため教育部や青年･学生の組織などの任務を代行している状態にある。

３．学習

l 連盟主催エスペラント紹介講座一般参加者 5月小樽合宿8名、今大会直前講座6名。

l 連盟主催学習会（新年講習会19名、5月合宿29名、今大会直前講座6名）参加延べ人数54名（一般参加含む）

l 各サークル学習会サート(SAT)札幌を除く全サークルが定期的に集まり学習会を中心にして活動している。4サークル6講座。またサート(SAT)札幌はメンバー1名が他の連盟員1名をつれてサンフランシスコ州立大学夏期エスペラント講座に参加した。

l エスペラントで意見を言う、エスペラントで遊ぶという連盟主催の学習会のテーマは、普段のサークルでの学習会とはひとあじ違ったものとして参加者に好評であった。しかし今年度はエスペラントによるディベートは開催することができず、連盟員の討論能力の向上が課題として見えてきた。

l 今年度、日本エスペラント学会の学力検定試験3級に1名、4級に3名が合格した。また1名がサンフランシスコ州立大学で初級エスペラント講座の単位を取得した。講師認定制度を活用するためには、これまでの検定試験合格者などのリストの作成が必要となっている。

４．財政

l 一般収入は、新規入会者数が当初見込みを超えて会費収入が上回ったため、その他の若干の予算超過はあったもののかろうじて財政的に耐えうる状態にある。

l 長期計画による組織･宣伝費は98年度29,470円支出したが、小樽での学習会への講師派遣交通費及び会場費は事務局費として支出した。

l 事務関係費はほぼ予算どうり執行された。しかし前総会で指摘のあったように、99年度からはどう支出されるかわかりやすい説明をすることとなった。

l 機関誌編集発行費は発送名簿の整備、印刷コストの削減などで当初予算を大幅に下回った。

l 連盟主催の前大会は機関誌70号での収支報告に計算違いなどがあり、別紙「98年度収支計算書」の61回道大会の項目が正確な数字で、28,309円の赤字となった。

l 新年講習会、5月合宿、今大会直前講習会は赤字をださずに開催できた。

l 図書費について、当初見込みでは、エスペラント普及入門講習のためのテキストや辞書の十分な在庫の必要性の認識が抜け落ちていた。連盟財産として在庫図書はあるものの、次年度より図書部の年間計画の練り直しが必要である。

l 本大会の決算は次年度の報告となるが、自治体や国際交流財団からの助成金を得るためにはかなり早い段階で魅力ある企画書を作成し、粘り強く交渉しなければならないことがわかった。また今回のように助成金などを得られなかった場合には企画の規模縮小か連盟資産の取り崩し、あるいはその両方を行うかするなど、あらかじめ連盟内でのコンセンサスを得ておく事が望ましい。

５．機関誌

l B5版、隔月間で6回発行。ページ数は各号8～20ページで、前年度よりページ数の少ない号が2回あった。総ページ数は100ページ。

l 98年度執筆者19名。97年度執筆者以外の新しい顔ぶれは11名であった。

l 発行部数は150部、内予備は約20部。発送名簿の整備と印刷コストの削減によって、印刷･発送作業の効率化と経費の削減を実現できた。また、機関誌の発送と共に会費請求を行えるようになった。

６．図書･出版

l 今年度購入図書は87点157冊定価184,960円で、購入費は159,419円であった。

l 図書販売は56点95冊で、売り上げは86,418円であった。

l ただし図書部体制確立前の、前大会中及び前大会のためのキャラバンで販売したり、寄贈した書籍は、上記の購入･売り上げには含まれていない。だが、前大会実行委員会が委託販売用に保有していた書籍は前大会時販売の後、残部は図書部で買い取り、返本郵送料の節約と在庫の充実をはかった。

l 販売用図書はロンデタージョ（札幌市北区麻生1）に常時展示し、販売している。また、出張販売は通算3+ 回、札幌エスペラント会ザメンホフ祭（97年12月13日）、5月小樽合宿（5月16･17日）、小樽エスペラント学習グループ第3回会合（6月24日）、第85回日本エスペラント大会（10月3･4日）など、利益は販売協力サークルに還元した場合もある。

l 今年度の購入図書は常設展示・出張販売に伴う在庫の充実を目指したため、当初、販売に時間のかかる一般図書の購入に重点をおいた。そのため一時に一定数の量を必要とする辞書や入門テキストなどの不足をきたし、追加発注し購入する事態となった。

l 図書在庫は99点204冊定価で総額169,980円となる。この中には国内外のエスペランチストから販売用として寄贈された新刊および古本20点30冊が含まれている。この他に連盟発行のアイヌ神謡集エスペラント版・プラハ宣言8言語版・アイヌ民族に関する法律案エスペラント版あわせて226冊定価総額59,750円を在庫している。

l 連盟が在庫する販売用図書目録は作成され、常時更新されている。希望者には郵送料等の実費で配布することができる。

l 連盟への寄贈･交換機関誌、寄贈雑誌、寄贈図書など非販売用の図書類は連盟委員長が管理し、毎号機関誌で報告しているが、一部図書部管理の物もあり、全体の目録もできていない。

７．渉外・国際活動

l 連盟員の海外での活動は、ウラジオストックエスペラントクラブへの連盟委員長の親書を携えての訪問（4･5月）、サンフランシスコ州立大学エスペラント講座への2名の参加と北米エスペラント連盟へやはり親書を携えての訪問（7月）、北京で開催された第17回青年合同エスペラントセミナーに参加（7月）、フランス･モンペリエで開催された第83回世界エスペラント大会に4名参加（8月）など。

l 家族･勤務などの都合で海外に在住している連盟員は、ドイツ、ブラジルにいる。

l 金沢で開催された第85回日本大会には、北海道から9名参加、また連盟招待のウラジオストックからのエスペランチストが日本大会実行委員会の協力と財政支援で2名参加した。

l 日本エスペラント学会や関西エスペラント連盟、日本青年エスペラント連絡会の機関誌に、連盟員の記事、活動報告、意見などが掲載された（執筆者、天方良彦・川合由香・鈴木佳子・星田淳・宮沢直人など）。日本エスペラント学会・関西エスペラント連盟にコンスタントに新聞掲載記事などの情報を送った。

l 前大会の海外エスペランチスト招待者のうち一名が、北海道大会に参加することなく日本に入国し滞在期限を過ぎても出国していないことが判明し、前大会実行委員会が努力したが解決していない。

８．運動活性化プロジェクトチーム

l 今年度も定期的に会合を持つことができず、5月小樽合宿の機会をとらえて1回だけだが開催した。参加人数は17名で、現在のエスペラント運動の問題点や今後へ向けて夢のある提案が出された。

l 前連盟総会で継続審議となっている3案件にあわせて、新たに4案件、計7案件を委員会からの事業提案とは別にプロジェクトチーム提案として提出、今総会で討論してもらう。

９．第61回北海道エスペラント大会（1997年11月7日～9日）

l 大会直前エスペラント入門講習及び青年エスペランチスト交流会には、道外全国から10人近く参加があり、日本青年エスペラント連絡会との協力関係をつくることができたり、今年度福岡市での青年たちのエスペラント学習グループ結成のきっかけになったりした。

l 参加人数は157名（一般参加･不在参加含む）で、日本人、アイヌ民族、アメリカ人、ロシア人が参加した。

l 大会に対し、助成金支出2団体、後援27団体、賛同団体9、賛同人98を得、その他大勢の方々からの寄付金が107,063円にのぼった。結果として、大規模な企画にもかかわらず、28,309円の赤字ですんだ。

l エスペラント祭には、国際交流をすすめる市民団体・民族グループ・労働組合などに参加を要請し、エスペラントを一方的に宣伝するだけではなく、むしろ様々な市民グループの国際交流の活動からエスペランチストが刺激を受け、今後の活動の参考にしていくことを目指した。

l 連盟総会には、43名（内連盟員28名）が参加し、論点がかたよったものの白熱した議論が行われた。大胆な執行部批判も飛び出す討論は、北海道連盟の民主主義の精神をオブザーバー参加者に印象づけた。

l 総会議案は委員会提案通り可決し、「21世紀を10以上のサークル･学習グループ、100名以上の連盟員、500名以上の支持者で迎える」ための長期計画が開始されることとなった。また、運動活性化プロジェクトチーム提案のうち、「アイヌ語を大切にする長期的運動をすすめる」ことが、正式に決定された。

１０．二十一世紀へ向けた長期計画

l 今年度開始の長期計画に基づく宣伝と組織は、前年度の函館でのサークル再結成の例に学びながら、5月小樽合宿を最大限活用して学習サークルの確立を目指すこととなった。函館と異なり小樽には連盟委員が存在せず活動の核となるエスペランチストを得る事が困難ではあったが、小樽に複数の連盟員がいる事、札幌からの交通の便がよく事務局からの講師の派遣が比較的容易であること、かつて小樽はエスペラント運動の盛んであった所なので隠れたエスペランチストが存在する可能性があるなどの条件を考慮して委員会で決定した。

l 新聞報道や新聞折り込み、小樽の友人知人への働きかけなどで、合宿には一般参加8人を得、さらに合宿後にも問合せがあった。現在、2名が週一回のペースで入門講習をうけており、その他小樽在住の2名のベテランエスペランチストと事務局が頻繁に連絡をとりあうようになっている。

l 長期計画のありかたと予算の運用について、委員会内部で意見がわかれた。ひとつは、有能なエスペランチストの来道などの、あらかじめ十分な予測をたてられない運動発展の機会を最大限とらえることも考慮にいれて、機動的弾力的運用をするべきとするものである。もう一方は、長期計画である以上それに基づく毎年の目標と具体的な計画をたてて着実に実行すべきであり、偶然に頼ったあいまいなものであってはならないという意見である。99年度からは「長期計画」という名称は使わず、「21世紀への展望を実現するための組織・宣伝活動」にするよう委員会から総会に提案することになった。

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