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これは、ユーゴ空爆に関するユーゴスラビアからの電子メールの内容です。

一市民の状況を知ってもらうために掲載しました。

エスペラント原文に比べ、多少省略してます。

ユーゴ空爆:26日目から30日目まで

* 題名:26(26日目)
2 INET GATE zciric@EUnet.yu 1999/04/24 14:15
Date: Tue, 20 Apr 1999 15:10:35 +0200 From:"Zoran Ciric" <zciric@EUnet.yu>
Nisx, la 19an de aprilo, 23:35 h(ニシュ, 4月19日23時35分)
 こうして通信文を書きながら、ふと、警報はどうだったか、と考える。うっかり
現実の危険を忘れる瞬間があるのだ。そうだ、今日は10時15分に警報が出た
のだった。解除されたとは聞いてない。
 10分前に来た、あれは何だったかな。まず対空砲火が聞こえ、私はすぐコン
ピュータを切って屋根に上った。地下室じゃない、屋根へだ。(やじ馬根性盛んな
人だ、米機の日本空爆中、子供だった私に似ている−訳者)敵機が何をしているか
見たいのだがどうも場所が悪い。閃光が見え、遅れて爆発音(光は音より早いという
純物理的現象)。爆音も去り、静かになった。あす何だったか分かる。今は暗い。
また飛行機が来た。やはり見えない。あすも仕事だ、寝よう..
 各地で攻撃は続いている。コソボは連日やられている。今夜はベオグラードも。
NATO幹部によると、セルビア・ラジオテレビ局(RTS) は重要な軍事目標だそうだ。
その理由は、うその報道をしている? から。つまりNATOにとって気に入らない
放送内容だ、と言うことだ。すると−−CNN放送に気に入らないことがあったら、
我々もCNN局を爆破する権利があるのか。実に面白い、民主的な(?)論理だ。
セルビア各地のテレビ塔にも、もう空爆被害は出ている。RTS放送はあまり
好きではないが、チャンネルを替えればいいことだ。だれでも自分の意見を言う
権利がある、これが民主主義ではないかな?
 西側の「民主的(−とNATO・米国が称する)」放送は、どうもピンと来ない。
どれもこれも同じような主張をしている。気がついたことは、NATO側は、
目的のため必要となると、事実がどうあろうとニュースをデッチあげる、一方
RTSは全部は報道しない(都合の悪いことはいわない?)位の違いはある。
私が一番好きなのは0時から4時半まで中波で「南スラブ(=ユーゴスラブ;
訳者注)」語放送をしている「自由ヨーロッパ」放送だ。これはあらゆるニュース
ソースからの情報を集めて次々に紹介していく、説得も押しつけもなく、淡々と。
 ニシュ放送局からさっきの空襲の速報が入った。市北西部にミサイル7発。
工場が炎上、民家に延焼。たばこ工場の1棟にも命中。シリャカ地区の民家数軒
にもミサイル直撃。死傷者数不明。ニシュでも、ほかの町でも、葬式が引き続く
ことだろう−−あれは危険な「閃光」だったのだ。あと数分で27日目に入る。
* 題名:historio(歴史:国連憲章 前文)
4 INET GATE zciric@EUnet.yu 1999/04/24 14:10
Date: Thu, 22 Apr 1999 22:39:05 +0200 (4月22日22時39分)
1945年10月24日、米国(国連憲章が批准発効−訳者)
 我ら連合国人民は、
 我らの一生のうち二度まで、言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から、
将来の世代を救い、
 基本的人権と、人間の尊厳及び価値と、男女及び大小各国の同権とに関する
信念を再び確認し、
 −−−−−−省略−−−−−−−
 寛容を実行し、かつ善良な隣人として互いに平和に共存し、国際平和と安全を
維持するために我らの力を合わせ、
 原則の受諾と方法の設定とによって、共同の利益の場合を除いては武力を
用いてはならないことを確認し、
 −−−−−−省略−−−−−−−
これらの目的を達成するために、我らの努力を結集することを決定した。
* 題名:30(30日目)
3 INET GATE zciric@EUnet.yu 1999/04/24 14:10
La 22an de aprilo, 22:49 h(4月22日22時49分)
 ベオグラードでは毎日正午から中央広場で空爆抗議コンサートが開かれ、
夜は橋を守るために集まって人間の盾を作っている。ニシュでは、ルーマニアと
ブルガリアの国会がNATOの要求(国内基地使用)に対しどう答えるか、に
関心が集まっている。
 現在の攻撃は軍事目標に限られてはいない。NATO幹部はいつもアルバニア人
難民へ配慮をして見せるが、コソボでは市民の住宅が次々に破壊されている。
コソボに住んでいるのはアルバニア人、セルビア人だけではない。

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